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『変形性膝関節症ですね~』『お膝の老化ですね~』『お膝に水が溜まっていますね~』などの話からお膝に注射をしたり、針を刺して、溜まったお水を抜くことがあります。
その際の経験談として、”とてもお膝の注射が痛くて~”と折角の治療も途中になってしまい、患者さんによっては通院すら出来なくなってしまうことがあります。
実際に当院にいらしたとある方も、そのようなご経験を数か所で受け最後は通院を断念してしまった一人です。まだ50代の方ですのに80代のお母さまに歩行速度で負けてしまうほどになっていました。当院にいらしたのは、お母さまの診察に付き添いで行かれている他科の先生が見るに見かねての勧めでした。それでも悩みに悩み、数カ月してからいらっしゃいました。
はじめでしたし、全体的に底上げして動きやすくして差し上げたい!と考え、内服・外用剤・下肢(特に大腿四頭筋)の筋力強化とともにヒアルロン酸の膝関節注射もおすすめ致しました。当然、この方の顔が曇り、心配なお顔でいっぱいになりました。そして、それまでのトラウマになった体験をお話し下さいました。
勿論、今のところヒアルロン酸の注射を全く痛くなくできるわけではないのですが、当院では同じ注射でも痛みを軽減する工夫をしている為、1度試してみませんか?それでも無理でしたらやめましょうとお話し致しました。
結果、”今までの注射とは全然違う!!”と感激され、ワンクール(1週間に1回、計5回)のヒアルロン酸の注射も行うことが出来ました。その間のリハビリでしっかりと下肢の筋力もつき、現在ではしっかりとした足取りでスタスタと歩かれており喜ばれています。
そもそも、膝の注射をなるべく痛くなく、、、なんて些細な事を考えたのは、勤務医の頃の経験からです。
大学からの派遣で数人の違う先生が曜日ごとにかわって勤務に伺っていました。すると患者さんから『先生の膝の注射が痛くないので今日来ました』と複数個所で言われるようになったのです。
自分で自分に注射したことはないですし、他の先生からも注射された事がありませんので、初めはわからなかったのですが、ついてくれている看護師も『先生の注射は痛くないからね~』と患者さんに言うので、そうなの~?!と思ったのです。
もっとも昔は自分自身、大の注射嫌いでしたので、日頃から痛くないようにとは気を使っていました。そうこうしているうちに今まで治療を断念していた方も来られるようになり、膝の注射という整形外科医にとっては日頃からうつような注射一つでも、痛みが少ない工夫をする事が患者様に喜ばれる事を感じ、今に至ります。
開業してからは特に縛りがありませんので、なるべく痛みを少なく膝の関節注射や穿刺をしようと工夫を重ね、日々診療しています。
具体的には、
*関節に注入する物により私が最適と考えた適切な針の太さを選んでいます。
*針を刺す時と抜く時の速度を変えています。
*針が皮膚を貫く際にも抵抗が少ないように行っています。
*針を刺したときに迷い箸ならぬ、迷い針にならないように気を付けています。
*注入物の入れる速度に気を使っています。
*お冷やしタイムがあります。
*関節穿刺(お水を抜く)際には注射器で吸引する以外でも抜くことがあります。
最近では更に秘密兵器を導入しようか検討中です。
勿論、お膝の注射は痛みを伴います。ですが、少しでも同じようにうつ注射が痛みを少なく受けられるならと銀座リハビリ整形外科では思っております。